「統計グラフ」を作ってみようと思ったものの、「いったい何からはじめたらよいのか分からないよ。」と悩んでいる人のために、統計グラフに関する基礎的な知識をお教えしましょう。

○ 統計グラフの基礎知識 ○

(※グラフに使用した各種数値は架空のものです。)
◆ 棒グラフ

一定の幅の長短で数値の大小を比較する。
数値間の比、差、順位などを表現する最も基本的なグラフ。

@基線(0線)は目盛線より太めに。

A棒は必ず基線の上に立てる。

B目盛は必ず0からつける。

C数字は大小の差だけを問題にするときは、波線を入れて途中の目盛を省くことがある。
棒グラフの例
◆ 円グラフ

最も一般的な百分比のグラフの一つで、ある数値の構成比を表現する。

@円の中心から時計の12時の方向に向かって基線を引く。

A中心角を決める。

B数値間の順序がなければ、中心角の大きい順に時計回りの方向に並べる。(その他は最後)

C各区分に項目名と構成比(%)を入れる。
円グラフの例
◆ 絵グラフ

統計知識のPR、宣伝を目的にした場合に効果的なグラフ。

@絵グラフは、「統計グラフ」を絵画化するもので、基本的作図法を守る。

A絵画的要素は、統計内容と妥当性を持ち、簡素に表現する。

B1単位を「●」であらわすとき、その1/2は「縦に半分にした●」の絵画で表す
絵グラフの例
◆ 線グラフ

数値の時間的変化を示す場合に用いられる。線の「かたち」から変動の傾向や原因を調べたりするのに適する。

@縦に数量、横に時間をとる。目盛線、区画線の取り方を適正にすることが特に重要。

A図の中の線(項目数)は、多くても4〜5本にとどめる。
線グラフの例

○ 統計グラフ作成の手順 ○

1 まず、テーマを決め、資料を集める

どんな目的で、どんなことを表現するかを決めます。そのうえでふさわしい資料を集めます。統計グラフの素材となる統計数字や統計表は、テーマの違ういろいろな側面から表現できる要素から成り立っています。
テーマを決める
2 加工や分析について検討する

テーマをより的確に表現するには、統計数字そのものより、平均や比率、構成比、指数に置き換えて扱うほうが良いこともあります。十分検討してみてください。
加工や分析の検討
3 適切な図形を選ぶ

グラフの図形は利用目的によって多くの種類があり、また、それぞれ性能も違います。選択を誤るとテーマを正しく訴えることができません。
適切な図形の選択
4 わかりやすく、興味をひく表現を適切に

内容や問題点を明確に表した表題はグラフに生命を与えます。それは、テーマに対する作成者の理解の深さを表現することになります。
分かりやすいタイトル
5 レイアウトなどを考える

視覚に訴えるグラフでは、一つの画面をどう構成し、どんな色彩にするかを考えることも重要です。あまり多くの内容を盛り込み、多くの種類の図形を使用することは、見る人に、かえって混乱を与えることがあります。
レイアウトを考える
6 試し書きをしてみる

構図が決まったら、試し書きをしてみます。この段階で第三者の意見を聞いてみるのもよいでしょう。
試し書き
7 仕上げはていねいに美しく

鉛筆で下書きをし、目盛りや単位などに注意しながら、墨入れや彩色をします。張り付けはていねいに。
調査期日・調査名・資料の出所・調査方法など必要なことがらは忘れないように。
ていねいな仕上げ

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